製品の分野を超えて、
ものづくりの
仲間と語らう。
設計メンバー座談会
ものづくりの
仲間と語らう。
設計メンバー座談会
ふだんは各々のフィールドでものづくりに取り組んでいる設計メンバーが、ファニチャーカンパニーの前橋工場に集結。
自身の担当製品の開発秘話やプラスならではのものづくり、さらには、これから挑戦してみたいことについて語り合いました。
ファニチャーカンパニー
左:
製造本部 エンジニアリング部
小池 宏行(入社28年)
学生時代に機械、建築を学び、輸入住宅メーカー勤務のち、プラスへ入社。製品開発、営業を経験し、現在、オフィス家具設計の課長職。
右:
製造本部 エンジニアリング部
髙瀬 博之(入社3年)
幼い頃からものづくりに関わりたくて、地元群馬県内にあるプラスに入社。オフィス家具の新製品設計を担当。
ステーショナリーカンパニー
左:
研究開発本部 製品開発1部
宮﨑 敬一(入社9年)
自分が関わった製品を世に送り出したいとの思いから、製品設計、金型設計職を目指す。現在、研究開発本部の課長職。
右:
研究開発本部 製品開発1部
菅野 詩奈(入社8年)
子どもの頃から無類の文具好き。文具メーカーへ就きたくて高校生で理系を選択、設計者を目指す。テープ系製品の設計、梱包材の設計を担当。
ステーショナリーカンパニー ビジョン事業部
左:
新規事業創造部
畠山 勝信 (入社17年)
製品企画も経験し、現在のソフト設計部門へ。ホワイトボードやコピーボードなどの電子機器のソフト開発を担当。
右:
製品技術創造部
山﨑 菜央(入社3年)
大学はプロダクトデザイン専攻。ものをつくるのが大好きでアイデアがカタチになるとワクワクする。Kaiteシリーズ担当。
日々研究し、先輩から学び、
他社にはない新しい機構開発を
私はステーショナリーカンパニーで、テープのりを担当しています。テープのりと修正テープは機構が似ているため、部内ではテープチームとして編成されています。
テープのりの開発とは、具体的に何をするのですか?
のりの材料の選定や配合設計です。テープのりは粘着力や保持力、引いた時にスッと切れるのり切れが重要ですが、用途によっては保持力よりも審美性を重視する透明タイプなど特性が異なるため、機種に応じて配合を設計しています。
私もテープチームですが、修正テープを担当しています。
ちなみに、一つの製品を開発する際は何人で担当するのですか?
私は経験が浅いので上司とペアを組んでいますが、基本的に主設計の担当は一人です。案件や試作段階によっては複数人で担当することもありますね。
ファニチャーカンパニーも基本的には一人ですが、シリーズ展開が多い製品はメインとオプションで分担します。私自身は課長職に就いてからは、それぞれの担当者の相談に乗ったり、自分の経験から別の見解を導き出すなど、課全体のアドバイザリー的役割を担っています。
私はファニチャーで新製品を担当しています。新製品が売れるには今までにないユニークさが求められるため、新しい機構などを考える必要があります。ですから諸先輩からノウハウを学びながら、市場に出回っている他社製品も時々参考にし、日々研究しています。
私はビジョン事業部でソフト開発を担当していますが、日頃、家電機器が壊れた時には自分で直せないか、よく解体していますね。
粘着力の開発、検証は日本で行われている。
仕事ではハードも担当されるのですか?
担当はしませんが、機器の構造が判っているとソフト開発もしやすいので仕事にも役立っていると思います。
ちなみに製品開発では、ソフトとハードどちらが先行ですか。
協力しながらです。ソフトがスペックを提案しないと電気設計ができない、とはいえ処理能力が高いとコストも上がるので、スペックとコストのバランスを意識しながら一緒に進めています。
私は入社3年目で、メモパッド「Kaite(カイテ)メモ」の新バリエーションを担当しました。大学はプロダクトデザイン専攻でしたが、設計を一からやったことはなかったので、先輩に色々と教えてもらいながら開発しました。
入社して初めての担当とは、大変だったのでは?
大変でした。「既存製品の強度を高めたい」という依頼だったので、考え方としては板を入れるだけなのですが、完成品にパーツを足すのは想像以上に難しかったです。
ちなみに「Kaite」は、板面を撮影した画像を自動補正してデータ保存できるスマホアプリがセットなのですが、そのソフトを担当しました。
その時も、ソフトとハードで一緒に進めたのですか?
一緒にですね。たとえば、フチの色は撮影に影響しやすく、アプリが上手く作動しないことがあるため、設計が提案してきた色でも却下することもあります。
私の提案した色も何度かボツになりました。ですから、サンプルカラーをいくつも作って検証してもらいました。
デザインにとって色は譲れない部分だと思うので、納得できる色を実現するために何度も調整しましたよね。
粘着力の開発、検証は日本で行われている。
機能性や快適性はもちろん、
ワクワク感もデザインしたい
プラスの製品は、外観のデザインや色へのこだわりを強く感じます。形でいうと、円や楕円など触って痛くないように曲線を意識しますよね。
製品パッケージの紙質、印刷も仕上がりにこだわって2度刷るなど、機能性や快適性だけではなく、手にしたときのワクワク感も大切にしていますね。
ビジョン製品でも、ホワイトボード「インテルナ」は、ホワイトボードとしての機能だけではなく、インテリアとしての美しさも意識した製品なので、フレームの素材や色についても担当者間でかなり議論していましたね。
熱い議論はステーショナリーの部署内でもよく飛び交っていますが、メンバー同士がふだんから仲が良い分、本音で話し合えていると思います。
確かに、部署内では、日頃からよく話をするよね。
私も、いつでも気軽に上司に相談しています。
ビジョンは経験豊富な先輩が多いので、学びとともに驚きや発見があってとても楽しいです。私は入社当初、知識が全くなかったのですが、退職された大先輩がつきっきりで教えてくれました。
大先輩が退職されて寂しいのでは?
はい。寂しくて泣きそうでした。
構造を判った上で使いたい、
というのが根底にある
開発者は基本的にモノ好きだと思いますが、どんな素材か、どんな構造なのか、普段から隅々までチェックしちゃいませんか。
見ちゃいますよね。(笑)
仕事と関係ないプロダクトでも、どうなっているのか気になってしまう。職業病ですね。
私もです。エンジニアになるきっかけはテレビです。「小さい画面になぜ人がいるのか、映っているのか」が納得できなくて中学生の頃に原理を調べていました。スマホも当たり前に使われていますが、「どうやってこの動きをするのか」と気になってしまう。構造を判った上で使いたい、というのが根底にありますね。
私は専門職に就いて知識を得たことで、パッケージにある穴や印刷の位置合わせのマークなど、今まで気にとめなかったものが見えるようになりました。
私は文具店や売り場の前を通ると、「プラス製品は売っているか」「他社からどんな製品が出ているか」チェックします。
入社時の研修で「棚置きは目線の高さが売れ筋」と学んでから、私も陳列が気になります。目線の高さにプラス製品があると嬉しいですね。
使用する環境下に応じて、
耐久性や強度の試験を徹底
今回、ファニチャーの工場見学で気になったのですが、木製品やスチール製品以外に樹脂部品も作っているのですか?
樹脂部品の成形をやっています。
樹脂部品は仕入れていると思っていました。何を組み立てているのですか?
アジャスターなどです。購入する部品もありますが、メイン商材で数が必要なものは金型を起こして作ることもあります。
文具は樹脂製が多いので、前橋工場でパーツが作れたらいいなと思いました。
ファニチャーとステーショナリーで協力してパーツを作るのもありかもしれませんね。
ところで、文具は製品企画から販売までどれくらいの期間かかりますか?
機構設計に半年かかるので、設計から量産化まで1年弱でしょうか。家具はどうですか?
新規だと設計から製品化まで1〜2年、耐久性の検証にも時間を要します。たとえば椅子の検証は20万回衝撃を加えて3、4日。さらに100万回ならどうなるか、どこまでやれば壊れるかなど、プラスの品質基準はJISより厳しい部分もあるので、追い込み試験を行うと更に時間はかかりますね。
文具も、環境試験や耐久試験があります。テープ製品は、「高温高湿低温」と「通常温度」の環境下に繰り返し置いた後でも正しく使えるか、温度環境検査を行います。
落下試験もしますね。海外では日本と使い方が異なる場合があるので、海外製品のほうが品質基準が厳しいこともあります。
文具の使い方にも国民性があるのですか?
テープで言えば、漢字を使う国は文字が大きくなることが多く、テープも5mm幅では足りないため重ねて使われることもあります。
また、国によってノートの紙質やペンの品質が違うため、同じ製品でも、テープ付きの使いやすさや隠蔽しやすさを再評価する場合があります。
多種多様なオフィス家具が展示されている。
一つひとつ丁寧に組み立てられている。
雑談レベルの提案や相談も、
気軽に試作してみることも
皆さんの部門では、設計と開発が集まってアイデアを出しあったりしますか?
ファニチャーでは開発中の製品に対して、設計者も参加して意見を出す場づくりを始めました。
ステーショナリーは開発と設計の席が同じフロアで席も近いので、日頃からよく話しますね。
どんな話をするのですか?
たとえば、設計(R&D)から開発(マーケ)には、試作品などの使用感の評価をお願いします。一方で、開発(マーケ)から設計(R&D)には、競合製品の分析(機構や自社製品との実力比較など)の依頼があります。
「こんな要望があって、こんな感じで考えているけどどう思う?」など、席が近いので意見を頻繁に聞いています。
席が近いのはいいですね。ファニチャーは開発と設計のオフィスが離れているので羨ましいです。
ビジョンは組織があまり大きくないので、開発と設計が同じフロアで気軽にやりとりしています。「こんなことできるかな?」など雑談レベルの提案や相談でも、できそうなものは気軽に試作します。
技術やノウハウから発想を拡げる、
シーズ(種)起点があってもいい
同じプラスグループでも、こうして集まってお互いが製品を紹介することってないですよね。せっかくならコラボしたいですね。
家具と電気、家具と文具がセットになった製品とか、共同で開発してみたいです。
ファニチャーは「電気用品安全法」の知見があまりないので、ビジョンの技術をお借りしてデジタルを組み合わせた家具や文具が作れたら面白いですね。
いいですね。家具はまだまだ進化を遂げきれていないと思っています。電気部品に関してそこまで必要じゃない、という意見もあるかもしれないけど、電気的要素を足していくのも、家具が進化できる一つの手段なのかなと。
あと、どこを主軸に置くかにもよりますが、家具だけど実は文具みたいな製品とか。
家具が小さくなれば文具、文具が大きくなれば家具みたいに、家具と文具って延長線上にある気がします。
設計だけでは実現が難しくても、開発メンバーに提案するなどグループ力を活かしたいですね。
マーケティングの「ニーズ(Needs)」も大切ですが、技術やノウハウから発想を拡げる「シーズ(Seeds)」起点の製品開発があってもいいと思います。
ステーショナリーやファニチャー、ビジョンがあって流通もある。意外な組み合わせもプラスならではかも。
横のつながりを新しいものづくりのきっかけにしたいですね。
今回、座談会が前橋工場ということで、工場見学もできましたが、工場好きなのでずっと見ていられます。(笑)
私も入社時に見学して今回2度目ですが、仕事の知識を得た後に見学すると見え方が変わります。工程や資材などの理解が深まってとても面白かったです。
ふだんの仕事では、皆さんとあまり接点がないのですが、この機会が今後につながればいいなと思います。